始末書の書き方と例文(ビジネス)

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経験者が語る始末書の基本

個人的に、実は始末書に関しては民間ではなく行政に限りなく近い職種で、恥ずかしながら何度か執筆した経験があります。人は仕事上でミス無く完璧に仕事がこなせる人は、逆にミスが起こり得ない様な、ビジネスでは無難な仕事ばかりを任されているパターンも多いものです。そういった意味では、正式な始末書でキチンと事実を伝えることは、ビジネス上では極めて重要な予備知識となるのです。

始末書の他に、企業では顛末書などもあります。顛末書とは単独で出すのではなく、始末書だけではなく、会社にとってある程度の損害を与えた場合で必ず必要となります。この場合は、事案に至った詳細な経緯を記述して、始末書とは別に提出を求められるのです。

始末書とは、単なる反省文ではない

「申し訳ありませんでした。」というのは、口頭による謝罪でしかありませんが、始末書とは自分自身がビジネスにおけるこれからの評価を、限りなく待遇の上下や査定に影響を与える文書です。その為、執筆には完全なルールがあります。


・ボールペンで記述し、原則訂正を指摘されたら何度でも書き直す
・日付は始末書提出日であること
・事案に関係する日付は絶対に正確に書くこと
・進退に関することは自分で決めて書いてはならない

以上の4つは最低限のルールです。ビジネスにおける始末書は退職や降格に直接結びつくかどうかは、上司と人事など上層部でもかなり上位の立場の人が決めるものです。原則、事案を発生させた本人が決める権限はありません。それを踏まえて執筆するようにしましょう。

自分が悪いのではなく、何故そのように至ったのかが極めて重要

始末書を見る上司は、人事権を持った採用に関する立場の人が最終的に見る書類です。ですから扱いは機密文書と同等です。また社員の個人情報に該当するため、行政職では最低7年間の保管が原則であり、滅多なことでは書類は破棄されません。

執筆で心がけることは、少なくとも直属の上司より上の立場にある役職者が閲覧する書類であるという意識ですね。

ビジネスにおける始末書の例文

※原則書式はどこでも通用するようにしてあります。

2016年6月6日

株式会社●●●
支店長
●●●●●様

株式会社●●●
営業課~部
●●●●●担当●●●●●
始末書

この度私は、5月22日午後5時50分頃におけるお取引様である~社、~~部署において、業務上大変失礼にあたる失言を行い、弊社の信頼や信望や名誉を傷つける事案を発生させ、本当に申し訳ありませんでした。

この私の言動は社会人として、また一人の人間としても思い返せば、私自身が我が身を振り返って決して許されることではありません。また以前から自分の所属する同僚、上司の方々からの態度や言動に関する注意や勧告をうけていたにも関わらず、その場の冷静な判断が欠如していたのには、非常に不徳のいたすところでございます。
心よりお詫び申し上げます。

このような事を防ぐには、やはり真摯な仕事への素直な取り組み、相手がどのようなお立場であっても決してその御心を踏みにじることの無いよう、肝に命じて、ご指摘や指示には忠実に従って真面目に誠実に取り組む以外にはありません。

今回の事案に関しては、どのような処遇も甘んじて享受するつもりではございますが、貴社の繁栄のために、これからはどのような努力も決して惜しまないつもりでございます。

ここに始末書を提出、提示することに合わせて、どうか寛大なご処置をよろしくお願い申し上げます。

以上

一般的な始末書の例文では、「殿」を使ってるようですが、公文書的な扱いの行政職では「殿」は使いません。原則的に自分が雇われている限り、相手は自分の給与や福利厚生に対し責任を持つ立場なので、「様」を付けるのが妥当です。また始末書の日付に関しては極めて重要なことですから、執筆の前に直属の上司に「日付はいつにしたらよろしいでしょうか?」などと、事前に確認しておくことも忘れないようにしましょう。

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